法制審議会(法務大臣の諮問機関)の部会は9日、少年法改正に向けた要綱案を取りまとめた。
18~19歳の犯罪は現行より厳罰化され、起訴後の実名報道も解禁するとした。
少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満へ引き下げるか否かの判断は見送られた。
要綱案は、今秋に開かれる法制審議会の総会で正式に承認され、法務大臣に答申される。
安倍内閣の次の内閣が、来年の通常国会に「少年法改正案」を提出するとみられる。
少年法とは、罪を犯した少年などに対する扱いを定める法律。少年は大人と同じようには罰せられない。
現行法では、少年の定義は「20歳未満の者」となっている。性別は関係ない。
民法改正により、令和4年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられる。
このため、法制審議会の「少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会」では、平成29年3月より少年法改正が議論されてきた。
要綱案では、18~19歳について「未熟な部分がある」として、家庭裁判所に送致して、事件の背景や生い立ちを調べる制度は維持するとした。
逆送致(刑事処分を相当として検察官に送致すること)の対象事件には、強盗や強制性交等の罪を追加する。
起訴されれば、成人と同様に、名前や顔写真など本人が特定できる報道が可能となる。
大雑把に言えば、18~19歳は「20歳以上」と「18歳未満」の中間的な扱い。
少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満へ引き下げるか否かについては、「今後の立法プロセスにおける検討に委ねるのが相当」とした。
情報元:法務省:法制審議会-少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会
「女子高生コンクリート詰め殺人事件」という事件がある。
昭和63(1988)年11月25日、埼玉県三郷市内で女子高生(事件当時17歳)が不良少年グループに拉致された。
彼女は約40日間に渡り、グループのたまり場だった東京都足立区綾瀬の加害者宅に監禁され、暴行・強姦を受け続けた。
昭和64(1989)年1月4日、集団リンチを受けて死亡。遺体はコンクリート詰めにされ、東京都江東区内の東京湾埋立地に遺棄された。
この事件で有罪となった少年は4人だが、うち3人は再び犯罪を犯している。
少年法改正の議論になると、犯罪を犯した少年の更生や保護を訴える者がいる。
しかし、筆者は凶悪事件を犯した者の更生は、非常に難しいと思う。
犯罪は抑止力がないと増える。