米国の製薬大手「ファイザー」は9日、新型コロナウイルスワクチン候補の治験で90%以上の予防効果が確認されたと発表した。
同ワクチン候補は、ドイツのバイオ医薬ベンチャー「ビオンテック」との共同開発。
今月中にも、米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請するとしている。
申請が許可された場合、令和3年末までに最大13億回分のワクチンを製造する予定。
日本政府は令和3年6月末までに、1億2000万回分の供給を受ける予定。
ファイザーのロゴ、出典:SlideShare.net
新型コロナウイルスワクチン候補の名前は「BNT162b2」といい、3週間の時間を空けて2回接種する。
現在、治験の第Ⅲ相試験(最終試験)中。
第Ⅲ相試験は7月27日から開始され、現在までに4万3538人を対象に行われた。
4万3538人のうち、3万8955人にワクチン候補の接種を行った。残りには偽薬。
対象者のうち現時点までに、新型コロナウイルス感染症の感染者が94人確認された。死亡した者や重症化した者はいない。
今後、感染者が164人に達した段階で最終分析に進む予定。
ワクチン候補を接種したグループと、偽薬のグループを比較した結果、新型コロナウイルスワクチン候補には90%以上の予防効果があることがわかった。
この結果は、2回目の接種から7日時点、つまり28日間のデータ。
調査は、2回目の接種から2年経つまで続けるという。
ワクチン候補のここまでの成績は良好だ。
ただ、28日間のデータのため、長期間になれば予防効果が落ちることも考えられる。
新型コロナウイルス感染症の致死率は約2%だが、85歳以上では約30%程度にまで跳ね上がる。高齢者に対して、どの程度の効果があるのかは不明。
保存も難しい。
FDAが許可を出さない可能性もないとは言い切れない。
喜ぶのは半分だけにしておいた方がいい。