支那の全国人民代表大会(全人代)は11日、香港立法会(議会)議員の資格剥奪権限を香港政府に与える決定をした。
香港政府は同日中に、民主派議員4人の資格剥奪を発表した。
これを受け、他の民主派議員15人が抗議のために辞職すると発表した。
民主派は香港の「一国二制度」のもと、行政長官と立法会の普通選挙の完全施行を主張している。
今回、選挙で選ばれた議員が香港政府(=支那)により議員資格を剥奪された。香港政府はすでに、支那の傀儡となっている。
支那の香港侵略は、また一歩進んだ。
民主派の議員資格を剥奪された4人と、抗議のため議員辞職する15人、原典:立場新聞
支那国営の新華社通信によると、全人代の常務委員会は11日、香港立法会の議員資格について新たな決定をした。
香港政府が直ちにその資格を剥奪できるとした。主な該当条件は以下のとおり。
- 香港独立を支持する
- 香港に対する支那の主権行使を拒否する
- 外国勢力に香港への介入を求める
- 国家の安全に危害を加える
- 香港政府に忠誠をつくす
「香港政府に忠誠をつくす」というのは、支那政府(支那共産党)に忠誠をつくすということである。
香港政府は直ちに、楊岳橋氏、郭栄鏗氏、郭家麒氏、梁継昌氏の議員資格を剥奪した。
香港では今年9月に立法会議員選挙が行われる予定だったが、延期され、今だに行われていない。
議席資格を剥奪された4人は、この選挙への立候補を取り消されている。
選挙管理当局により、「国家の安全に危害を加える行動をした」等の判断をされてしまっていた。
これを受け、他の民主派議員15人が抗議のために辞職すると発表した。
15人は今日中(12日)にも辞職届けを提出するという。
議員資格を剥奪された4人と、抗議のため議員辞職する15人は、揃って会見を行った(上の写真)。
民主派最大政党、民主党の胡志偉代表は「すべての権力が行政長官に集中することになるうえ、行政長官は支那政府のただの操り人形だ。『一国二制度』が死んでしまったと言える」と述べ、今回の決定を強く非難した。
香港立法会の構成(議員資格剥奪前)
・支那派 41人
・民主派 21人
重要法案は3分の2以上の賛成が必要
香港立法会では重要法案を可決する際、3分の2以上の賛成が必要である。
今までは支那に有利な法案を通そうとしても、民主派議員がいたことにより止めることができていた。
今後は無理だ。
香港は形式上は、行政(政府)、立法(議会)、司法の三権分立である。
しかし、香港政府は完全に支那の傀儡となってしまっている。
今回のことで、香港立法会も支那のコントロール下に置かれてしまった。
支那の香港侵略が更に進むことは、ほぼ間違いない。
日本には「憲法を守れ」とか「人権を守れ」とか、普段から言っている者たちがいる。
彼らには今こそ、声をあげ、支那の国際法違反を批判してもらいたいものである。
しかし、彼らのほとんどは、なぜか、支那を批判しない。