防衛省の研究機関である防衛研究所は13日、中華人民共和国の最近の軍事戦略を分析した「中国安全保障レポート2021」を公表した。
同レポートは以下の4章で構成される。
- 情報化戦争の準備を進める中国
- 中国のサイバー戦略
- 中国における宇宙の軍事利用
- 中国の軍民融合発展戦略
中国安全保障レポート2021
「中国安全保障レポート2021」では、まず、同国が情報化戦争の準備を進めると警告している。
情報化戦争とは、人民解放軍などで使われている軍事用語である。
「ネットワーク化された情報システムに基づき、情報化された武器・装備および関連する作戦方法を利用し、陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁などの空間および認知領域において、システム対抗を主な形式として進む戦争」と定義されている。
これは世論戦や心理戦、法律戦などにより世界的な「情報優勢」を確立しようという政策である。つまり、プロパガンダ。
以前から重視されていたが、近年、更に力を入れるようになってきた。
中華人民共和国は、宇宙の軍事利用を積極的に進めているという。
同国には宇宙空間に363機の衛星があり、人民解放軍を情報面で支援する。
それだけでなく、他国の宇宙利用を妨害するための電子妨害兵器の開発も進めている。
中華人民共和国は「軍民融合」政策をとっている。人民解放軍と民間企業が強く結びついている。
目的は最先端技術を得るためである。
海外企業の買収・子会社化、高度な技術を持つ人材を獲得するための「千人計画」などにより、技術水準の向上を図っているという。
最近では、日米欧が警戒感を強め、規制強化が進んでいる。
2020年、中華人民共和国の防衛費は19兆円を超えている。一方、日本は5兆円強。
この差が今後更に拡大するのは、ほぼ確実である。
しかし、日本には今だに「軍事目的のための科学研究を行わない」などと寝言を言っている連中がいる。
それで尖閣諸島を、いや、日本を守ることができるのか?