英国の医薬品・医療製品規制庁は2日、米国の製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスのワクチンを承認した。
新型コロナウイルスのワクチン承認は、日米欧では初めて。
情報元:UK medicines regulator gives approval for first UK COVID-19 vaccine - GOV.UK
英国マスコミの報道によると、早ければ7日にも医療機関などで接種を始めるという。接種は医療従事者や介護施設職員、高齢者などが優先的となる。
ワクチンは来週中に80万回分ほどが供給される見通し。ファイザーのベルギーにある製造拠点から供給されるという。
英国政府は同ワクチン4000万回(2000万人)分の供給を受ける契約を結んでいる。
日本政府も同ワクチン1億2000万回(6000万人)分の供給を受ける契約を結んでいる。
ワクチンは3週間の期間を空け、2回接種する。
ファイザーのロゴ、出典:SlideShare.net
ファイザーによると、今回承認されたワクチンの治験には4万3661人が参加したという。
予防効果は95%。
ワクチンを接種した人で、死亡や深刻な副作用の発生はなかった。軽微な症状として、倦怠感3・8%、頭痛が2・0%。
今回の承認されたワクチンは「mRNAワクチン」という今までに無かったタイプ。
新型コロナウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」というタンパク質の遺伝情報を持ったmRNAを人工的に作り出し、ヒトに注射する。
すると、ヒトの体内ではこのmRNAを元に「スパイクタンパク質」が作られ、これを目印に抗体が作られる。
新型コロナウイルスが体の中に入ってくると、この抗体が攻撃して感染を防ぐ。
英国がこんな短期間でワクチンを承認するのは異例である。英国や欧州の新型コロナ感染は、日本以上に深刻である。
同ワクチンの更なる情報が必要である。
同ワクチンは日本でも承認される可能性が高い。
筆者は接種を受けるつもりだが、しばらく様子を見てから判断したいと考えている。
正しい情報を得る前に行動すると、取り返しのつかない事態になる場合もあるから。