国立感染症研究所は5日、2021年第8週(2月22~28日)の「インフルエンザ流行レベルマップ」を公表した。
国内のインフルエンザ患者数は、2月22~28日の間で1000人未満、今シーズン累計では約1万4000人と推計した。
例年の500分の1以下。
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスを病原とする感染症である。
主な症状は高熱、頭痛、関節痛・筋肉痛、全身のだるさ(倦怠感)など。
ヒトが感染するインフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型。
日本においては通常、11月~翌年5月頃が流行期で、1~3月がピーク。毎シーズンの死亡者は数1000人。1960年代までは3万人を超えるシーズンが多かった。
インフルエンザウイルス、原典:米国疾病予防管理センター
国立感染症研究所は、全国約5000のインフルエンザ定点医療機関を受診した患者数を、週ごとにまとめている。
患者が増え始めると「インフルエンザ流行レベルマップ」を公表する。ただし、今シーズン (2020/21年)は例外。
5日に公表した「インフルエンザ流行レベルマップ」によると、2021年第8週(2月22~28日)に定点医療機関を受診したインフルエンザ患者は46人。うち、6人が入院。
全国の保健所地域で、警報レベル、注意報レベルを超えている地域はなかった。
国立感染症研究所は、第8週の国内インフルエンザ患者数を1000人未満(確率95%)と推計した。
今シーズン累計では約1万4000人。なお、直近5シーズンの同時期(第8週)の累計は以下のとおり。
- 2020/21年 1.4万人
- 2019/20年 695.4万人
- 2018/19年 1108.5万人
- 2017/18年 1932.0万人
- 2016/17年 1315.0万人
今シーズンが極端に少ないのは、新型コロナウイルス感染症の影響である。
昨シーズンは12月頃までは例年より多かったが、1月に入り激減した。武漢市が都市封鎖(ロックダウン)されたのがこの時期。
情報元:インフルエンザ流行レベルマップ | 国立感染症研究所 感染症情報センター
新型コロナ対策をしっかりすることにより、同時に、インフルエンザの対策もしていることになる。
インフルエンザがこれだけ激減しているのは、日本人が新型コロナ対策をしっかりやっている証拠である。
努力はいずれ報われる。時間はかかるかもしれないが。