素人が新聞記事書いてみた

新聞記事のつもりでブログを書いています。

ヒトiPS細胞から受精卵のような細胞、豪と米がそれぞれ作製

ヒトのiPS細胞から受精卵、胚盤胞(はいばんほう)のような細胞を作製したと、2つの研究グループが発表した。世界初。

オーストラリアと米国の研究グループがそれぞれ別の手法で作製。科学雑誌「ネイチャー」に論文が掲載された。

 

iPS細胞(人工多能性幹細胞):非常に多くの細胞に分化でき、かつ、分裂増殖を経てもそれを維持できる細胞。体細胞へ4種類の遺伝子を導入し作製する。

胚盤胞:受精卵が胎児になる初期の段階で、ヒトの場合は受精後約5日。この後、子宮内膜に結合し、胎児となるべく成長を始める。

 

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 iPS細胞から作製した胚盤胞(はいばんほう)のような細胞、モナシュ大学提供

 

オーストラリアのモナシュ大学のホセ・ポロ博士らの研究グループは、iPS細胞となる過程の細胞から、胚盤胞のような細胞を作製した。

大人の皮膚の細胞からiPS細胞を作製する際、特殊な処理を施したという。

 

米国のテキサス大学の研究グループは、iPS細胞とES細胞を使って、胚盤胞のような細胞を作製した。

両細胞に刺激を与える化学物質を加え、特殊な容器の中で培養したという。

ES細胞(胚性幹細胞):受精卵から作製された細胞。理論上、全ての細胞に分化でき、ほぼ無限に増殖可能。

 

これまで、iPS細胞やES細胞から胚盤胞をつくることは、非常に難しいとされてきた。

 

両研究グループによると、作製した細胞は構造や遺伝子が本物に似ているという。ただ、本物にない細胞も含まれるなど違いもある。

子宮に入れても胎児にはならない。

 

情報元:First complete model of the human embryo - nature

 

今回の技術は、不妊や流産などの研究に役立つ可能性がある。

一方で、技術が進展すれば卵子精子の受精を経ずにヒトを作製する、いわゆる「クローン人間」を誕生させる可能性もある。

現在、各国の法律や倫理基準はそのような事態を前提としていない。今のうちに議論を進め準備をすべきである。

国会でワイドショーのまねをしている場合ではない。