公立小学校で1学級当たりの児童数を35人以下とする改正義務教育標準法が31日、参議院本会議で全会一致で可決、成立した。
1学級当たりの児童数上限は、小学1年生では既に35人となっているが、2年生から6年生では40人。
いわゆる「35人学級」は、まず令和3年度に2年生で実施する。
令和4年度は3年生という具合で段階的に進め、令和7年度には全ての学年を「35人学級」に移行させる予定。
複数学年での上限引き下げは、昭和55年度以来となる。
一般的な小学校、出典:写真AC
1クラス当たりの児童数を引き下げることにより、児童一人ひとりの理解度に合わせたきめ細かな指導が可能となる。教員が抱える負担の軽減にもつながる。
教室を広く使えるのは、新型コロナウイルス感染症対策としてもありがたい。
一方、教員不足をどう補うかという課題もある。
文部科学省によると、公立小学校の「35人学級」実現により、今後5年間で新たに1万3000人余の教員が必要になるという。
小学校教員採用試験の倍率も、今年度は過去最低を更新した。
萩生田光一文部科学大臣は情報通信技術(ICT)の活用に加え、少人数学級の導入を最重要視していた。
中学校でも「35人学級」を実現しようとしたが、財務省との交渉の結果、40人のまま据え置くことで折り合った。
OECD(経済協力開発機構)によると、平成30年時点、各国の公立小学校「1学級当たりの児童数」は以下のとおり。
- 米国 20.9人
- ドイツ 21.0人
- 韓国 23.1人
- フランス23.3人
- 英国 26.0人
- 日本 27.2人
情報元:OECD iLibrary | Education at a Glance 2020: OECD Indicators
日本は先進国の中では高い方から2番目。
韓国は10年ほど前には日本より高かったが、急激に児童数を減らした。教員の給料改善、教員養成課程の強化などを行った。
米国は州ごとに児童数上限が異なるが、伝統的に少人数学級。
国家にとって、教育は最重要事項だと筆者は思う。
日本は外国人留学生に返金不要の奨学金を与え続けている。
血税は日本の子供のために使ってほしいものである。