東京農工大学門の高木康博教授の研究グループは、「ホログラフィック・コンタクトレンズディスプレイ」の開発に成功した。
目の中にコンタクトレンズを入れるだけで、視界にデジタル情報を重ねて表示できるという。
コンタクトレンズディスプレイは、究極のディスプレイ技術として研究が行われている。
しかし、コンタクトレンズ内に表示した画像に対して「目がピントを合わすことができない」という大きな課題があった。
原理確認実験、実際の風景に「AR」と重ねて表示、東京農工大学提供
研究グループは、物体から発せられる光の波面を発生することで立体表示を行う「ホログラフィー技術」に着目した。
これを応用することにより、コンタクトレンズのディスプレイデバイスが表示した立体像に対し、目のピントが自然に合うと考えた。
コンタクトレンズの厚さは一般に0.1mm程度。
光の波面を制御する「位相型空間光変調器」や、光の偏光を制御する「偏光子」を搭載することが課題となった。
研究グループは、ホログラフィク光学素子を用いることにより課題をクリアした。
原理確認実験では、実際の風景にホログラム技術で発生した画像を重ねて「AR」表示することに成功した。
東京農工大が開発した「コンタクトレンズ型ディスプレイ」が凄い。光の波面を再現するホログラフィー技術を活用することで、遠くを見ても表示にしっかりとピントが合う。 "究極のARディスプレイ"としての実用化に期待https://t.co/Iado4bNzaH pic.twitter.com/7pllpilTag
— 小口貴宏 / EngadgetJP (@TKoguchi787) 2021年3月25日
研究グループは、表示デバイスや通信デバイスの研究者や眼科の医師などと協力し、コンタクトレンズディスプレイの実用化に向けて研究を進めたいとしている。
情報元:OSA | Holographic contact lens display that provides focusable images for eyes
コンタクトレンズは薄くて目の中に入れるため、これまでディスプレイ化は難しいとされてきた。
ホログラフィー技術に着目したのは斬新だ...と筆者は思った。
現実空間とサイバー空間を融合は、恐らく、今後進んでいくだろう。