企業にとって広告は重要なものである。
広告の目的は、特定の商品やサービスを売ることだけではない。
企業のイメージアップを目的とすることもある。ライバル企業も同じような商品やサービスを販売している場合、多くの人は好感をもつ企業を選択する。
企業はこれまでマスコミに、特に、テレビと新聞には多大な広告料を払ってきた。しかし、近年その構図は変わってきている。
電通によると、2000年の日本の総広告費は6兆1102億円。うち、テレビが2兆1059億円、新聞が1兆2474億円、インターネットは500億円。
2020年の日本の総広告費は6兆1594億円。うち、テレビが1兆6559億円、新聞が3688億円、インターネットは2兆2290億円。
2000年からの20年間で、インターネット広告は大きく増えた。
対照的なのは新聞とテレビである。新聞は壊滅的ともいえるが、テレビはそこまでは減っていない。
テレビが本格的に減るのは「これから」と筆者は予測している。
ファッションセンターしまむら 和泉万町店、出典:Wikipedia
令和3年4月5日、衣料品販売の大手「しまむら」は令和3年2月期の決算を発表した。
連結売上高は前期比4.0%増の5426億円、純利益は同99.3%増の261億円。3期連続で減収減益だったが、好転した。
業績が好転した最大の要因は、広告戦略の変更である。
広告費を前年の148億円から114億円へと、22.8%も減らした。
テレビCMを無くし、新聞の広告チラシも抑えた。一方、YouTubeなどネットの動画広告は積極的に活用した。
結果、広告費を抑え、売上を増やすことに成功した。
情報元:2021年2月期 期末決算及び中期経営計画説明会 | しまむらグループ
多くの人が「費用対効果では、テレビCMよりネット広告の方が優れている」と感じてはいただろう。
ただ、サラリーマンという立場上、今までやっていたことを変えるのは抵抗感が強い。失敗したら、自分の責任になるからだ。
今回、しまむらが実績をあげたことにより、同様のことをする企業もでてくるだろう。
芸能人やテレビ局員は超高収入である。
このこと自体が、本来おかしなことだと思う。