衆議院北海道2区補欠選挙、参議院長野県選挙区補欠選挙、参議院広島県選挙区再選挙が25日、投開票された。
菅政権発足後初の国政選挙。
立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党は共闘し、3選挙に全勝した。
自民党は2選挙で候補者を擁立したが、いずれも敗北した。
衆議院北海道2区補欠選挙で当選した松木謙公氏、出典:松木けんこう オフィシャルサイト
衆議院北海道2区補欠選挙は、収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛・元農林水産大臣(自民離党)の議員辞職に伴うもので、6人が立候補していた。
立憲民主党の松木謙公氏(62)=国民、社民推薦=が共産の支援も受け、5回目の当選を果たした。
自民党は候補者の擁立を見送っていた。
- 松木謙公、立憲・元、当選、5万9664票
- 鶴羽佳子、無所属・新、2万7355票
- 山崎泉、維新・新、2万2459票
- 長友隆典、無所属・新、1万5738票
- 齊藤忠行、NHK受信料を支払わない方法を教える党・新、5630票
- 小林悟、無所属・新、5552票
参議院長野県選挙区補欠選挙で当選した羽田次郎氏、出典:立憲民主党
参議院長野県選挙区補欠選挙は、羽田雄一郎・元国土交通大臣が新型コロナウイルス感染症により死去したことに伴うもので、新人3人が立候補していた。
立憲民主党の羽田次郎氏(51)=国民、共産、社民推薦=が、自民党の小松裕氏=公明推薦=らを抑え、初当選した。次郎氏は亡くなった雄一郎氏の弟。
- 羽田次郎、立憲・新、当選、41万5781票
- 小松裕、自民・新、32万5826票
- 神谷幸太郎、NHK受信料を支払わない方法を教える党・新、1万7559票
参議院広島県選挙区再選挙で当選した宮口治子氏、出典:立憲民主党
参議院広島県選挙区再選挙は、公職選挙法違反の罪で有罪が確定した河井案里氏(自民離党)の当選無効に伴うもので、新人6人が立候補していた。
「結集ひろしま」の宮口治子氏(45)=立憲・国民・社民推薦=が共産の支援も受け、初当選した。
- 宮口治子、結集ひろしま・新、当選、37万860票
- 西田英範、自民・新、33万6924票
- 佐藤周一、無所属・新、2万848票
- 山本貴平、NHK受信料を支払わない方法を教える党・新、1万6114票
- 大山宏、無所属・新、1万3363票
- 玉田憲勲、無所属・新、8806票
今回の選挙は、自民党にとっては当初から逆風のなかでのものだった。「保守王国」と言われる広島での敗北は痛手。
一方、立憲・国民・共産・社民の野党4党は、共闘が功を奏した。ただ、衆院北海道2区と参院広島で共産党が空気を読み、推薦ではなく「支援」に留めた。足並みが揃っているとは言えない。
直近の国政選挙、令和元年7月に行われた参議院選挙では、自民党の比例票は1771万票。
立憲・国民・共産・社民の野党4党の合計は1692万票と、ほぼ互角。
野党共闘が機能した場合、自民党が議席を大きく減らすことは確実。
遅くとも、今年10月までには総選挙がある。
筆者は民主党政権が誕生する直前に感じた「心のざわめき」を再び感じている。