日本はどのような物を外国から買っているのか。
2019年の輸入総額は78兆5995億円。金額ベースで多い順に以下のとおり。
- 原油・粗油 7兆9690億円(10.1%)
- 液化天然ガス 4兆3498億円(5.5%)
- 衣類・同付属品 3兆2045億円(4.1%)
- 医薬品 3兆 919億円(3.9%)
- 通信機 2兆8463億円(3.6%)
日本は「原油・粗油」や液化天然ガス、石炭などの鉱物性燃料を多く輸入している。
粗油(そゆ)とは、未精製の原料油の総称である。関税法上、原油とは別に扱われている。
日本が最も輸入している「原油・粗油」には、他の輸入品にはない特殊な事情がある。
日本は「原油・粗油」のほぼ100%を輸入に頼っており、かつ、その9割を中東の国から輸入している。
2019年の「原油・粗油」の輸入金額は7兆9690億円。上位5カ国は以下のとおり。
情報元:最近の輸出入動向 : 財務省貿易統計 Trade Statistics of Japan
石油の主な海上輸送ルート、作成:素人が新聞記事書いてみた
これは筆者個人の考えだが、日本は石油の輸入先の分散と、石油に頼り過ぎない社会をつくるべきである。
中東は戦争・紛争が起きやすい地域である。加えて、南シナ海でが支那が侵略を進めている。安全保障上、危険な状態と言える。
中東以外の地域からも輸入すべきである。ただし、輸入先は慎重に選ぶ必要がある。
日本の石油輸入量は、1997年には2.86億トンだったが、2019年には1.88億トンにまで減ってきている。
2015年時点の用途は、自動車やトラックなどの「動力の燃料」に約45%、ストーブや発電所などの「熱の燃料」に約30%、タイヤやペットボトルなどの「原料」に約20%。
安全保障を考えれば、石油輸入量も減らすべきである。
その場合、現在のガソリン車から、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)への移行が最大の鍵となる。
石油火力発電などの使用量は、年々減少してきている。
筆者は多くの電気自動車に乗ったが...正直、他人には勧められない。
何より値段が高過ぎる。街中に充電器も少ないし、充電するのに時間もかかる。
脱石油社会の実現は、かなり難しいのが現実である。
しかし、長い時間と多くの労力をかけてでも、筆者は実現させるべきだと考える。
日本が石油を輸入しなくてもいい国だったら、米国や英国との戦争は回避できていた可能性があるのだから。