政府は10日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)の第4回会合を開いた。
憲法学者および元最高裁判所判事の4人から、ヒアリングを実施した。
4人中3人が女性天皇に賛成し、女系天皇にも事実上3人(2人とも解釈できる)が賛成した。
安定的な皇位継承策を議論する有識者会議:皇位継承資格を女系に拡大するか等について、有識者の意見を聞くもの。約20人からのヒアリリングを予定している。正式名称は『「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議』。
女系天皇:母方(女系)の血統のみに天皇がいる者が仮に即位した場合の呼称。女系天皇は今まで1人もいない。皇位継承の条件は、父方(男系)の血統に天皇がいること。
今回、ヒアリングを実施したのは以下の4人。
岡部喜代子氏は、女系天皇を認めることが憲法違反であるとの説を採ることはできないと指摘。
女系天皇に強固な反対があるのであれば、「実例もある男系女子に皇位継承資格を認めること」がひろく賛同を得られるのではないかとした。
大石眞氏は、「皇位継承資格を内親王・女王にも認めるとともに女系の皇族にも拡大する」ことが、基本的な方針としては妥当とした。
理由は、天皇の不存在という事態はほとんど経験したことがないため。ただし、一挙に拡大するのは最善の方策とも思えないとした。
「日本国憲法施行時の天皇であった昭和天皇の子孫であることが、皇位継承の安定性・連続性という要請に適う」とした。
「もしわが国で女系天皇を容認すれば、その時点で初代神武天皇以来の皇統は断絶し、新たに別の王朝が誕生してしまうことになる」と危機感を示した。
旧宮家(旧皇族)男系男子を養子縁組による皇族復帰させる案については、百地氏が賛成、岡部氏と大石氏は反対、宍戸氏も「慎重に整理する必要がある」とした。
情報元:第4回 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議 議事次第|内閣官房ホームページ
大石氏は、皇位継承資格を「女系の皇族」にも拡大することが妥当と主張しているが、「女系の皇族」などいない。
女系とは、母方(女系)の血統にのみ、天皇がいる人を指す言葉である。
宍戸氏は、「日本国憲法施行時の天皇であった昭和天皇の子孫であること」を重視しているが、これは恐らく八月革命説である。
八月革命説とは、昭和20年8月のポツダム宣言受諾により、革命が起こったとする学説である。日本国憲法を制定したのは国民と考える。
八月革命説の信仰者には、「戦前日本と戦後の日本は別の国」と考えている者も多い。
百地氏以外の3人は、天皇・皇室より憲法の方が大切なのだろう。少なくとも、筆者はそういう印象を受けた。
彼等の言うとおりのことをして、皇室や日本が繁栄するとは思えない。