NHK放送文化研究所は21日、NHK国民生活時間調査の結果を一般公開した。
テレビを見る人は79%となり、昭和35年(1960年)の調査開始以降最低となった。
10~20代は約半数とテレビ離れが顕著。一方、60代以上では9割を超えており依然として高水準。
令和2年のNHK国民生活時間調査記入票(午前の生活)、出典:NHK放送文化研究所
NHK国民生活時間調査とは、国民が1日(24時間)をどのように過ごしているのか調べるもの。
NHK放送文化研究所が昭和35年(1960年)から5年ごとに実施している。
調査票(上図)は、15分単位であらかじめ印刷された行動の欄に、線を引く形式となっている。
愛宕グリーンヒルズMORIタワー、NHK放送文化研究所は16階、出典:Wikipedia
今回の調査は令和2年10月に実施された。
全国10歳以上の7,200人を無作為に抽出し、記入票を郵送。4,247人(約59%)から有効な回答を得た。
有職者の平均仕事時間は、男性が7時間52分で、初めて8時間を割った。女性が5時間42分。
前回(平成27年)は男性が8時間27分、女性が6時間13分。
平均家事時間は、平日で、成人女性が4時間34分、成人男性は1時間9分。
前回は成人女性が4時間18分、成人男性は54分。
平均睡眠は、平日が7時間12分、土曜が7時間46分、日曜が8時間2分。
前回は平日が7時間15分、土曜が7時間42分、日曜が8時間3分。
年齢別のテレビを見る人の割合、出典:NHK放送文化研究所
テレビを見る人(正確には調査日に15分以上見た人)は79%となり、昭和35年(1960年)の調査開始以降最低となった。
前回の調査では85%だった。
テレビを見る人の割合は、年齢別では以下のとおり。
- 10~15歳:56%(前回平成27年は78%)
- 16~19歳:47%(同71%)
- 20代:51%(同69%)
- 30代:63%(同75%)
- 40代:68%(同81%)
- 50代:83%(同90%)
- 60代:94%(同94%)
- 70歳以上:95%(同96%)
40代以下で減少幅が大きく、10代では20%以上減少した。一方、60代以上はほとんど変わらなかった。
テレビを見る人とインターネットを利用する人の年齢別割合、出典:NHK放送文化研究所
インターネットを利用する人(正確には調査日に15分以上利用した人)は45%。
16~19歳では80%の高水準、70歳以上は20%。
30代でテレビを見る人とインターネットが同水準。40代以上はテレビの方が優勢。
テレビを見る人が今後、更に減っていくのは『ぼぼ確実』である。
「NHK受信料制度も廃止を含め見直すべきだ」と筆者は思う。