英国のコーンウォールで開かれていたG7サミット(主要7カ国首脳会議)は13日、首脳宣言を採択し、閉幕した。
首脳宣言は、支那の覇権主義に「懸念」を表明し、「台湾海峡の平和と安定」の重要性に初めて言及した。
また、東京五輪・パラリンピック開催への「支持」も盛り込まれました。
G7サミットは7カ国(日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ)の政府の長と、ヨーロッパ連合の欧州理事会議長と欧州委員会委員長が集まり、国際的な課題について議論する会合。
年に1回開催されるが、昨年は新型コロナウイルの世界的大流行のため中止となった。
1998年から2013年までは、ロシアも含まれ「G8」だった。
G7首脳、前列中央(左から3番目)が開催国・英国のジョンソン首相、出典:官邸
今回のG7サミットは英国の南西部コーンウォールで、6月11~13日の3日間に渡って開催された。
首脳宣言の前文では、各国が国際秩序に基づいて行動し、こうした秩序こそが、市民(人類)の安全と繁栄を保証するものとした。
首脳宣言で「台湾海峡の平和と安定」の重要性に言及し、台湾問題の平和的な解決を求めた。台湾問題に言及したのは初めて。
支那が侵略をおこなっている東シナ・南シナ海については、「引き続き深刻に懸念している」と指摘。緊張を高め、現状を変更しようとする一方的な試みに「強い反対」を表明した。
新疆ウイグル自治区や香港などで行っている人権弾圧に関しては、「人権や基本的自由」を尊重するよう支那に求めた。
北朝鮮に対しては、核兵器や弾道ミサイルなどの大量破壊兵器の廃棄、および、拉致問題の即時解決を求めた。
新型コロナウイルスについて、来年、2022年までの感染終息を目標に掲げた。
発展途上国を中心に、新型コロナワクチン10億回相当の支援を実施するとした。これは発展途上国からの要望に応えたもの。
また、コロナワクチンの開発を世界的に加速させるとした。
環境については、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」に言及。カーボンニュートラルは今年1月現在、G7国を含め124か国と1地域が表明している。
G7国は2030年代に、国内の電力システムを最大限脱炭素化するとした。
最後に、G7国は新型コロナウイルスに打ち勝った団結の象徴として、東京五輪・パラリンピックを開催することに「支持」を表明した。
情報元:報道発表|外務省
これまで、G7(G8)サミットで支那がここまで問題視されることはなかった。
筆者の感想は2つ。
一つは、支那への対処が遅いということ。天安門事件が起きた時に対処していれば、全く脅威はなかった。
もう一つは、「支那の台湾侵攻が、現実味を帯びてきたのだろうか?」という不安だ。
後者については、筆者の思い違いであることを願う。