半導体が世界的に不足している。
製造業、特に自動車メーカーはその影響を受けている。
半導体とは、物質には電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を備えた物質のこと。
半導体は様々な工業製品に使用されている。
自動車では、エンジンやブレーキ、ドアやETCなど様々な部分に使用されている。このため、自動車は「走る半導体」とも呼ばれている。
スズキは来月、半導体不足のため工場を一時停止する見込み。
軽自動車「スペーシア」や「ハスラー」などを生産している湖西工場(静岡県湖西市)で7月1~2日の2日間、小型車「スイフト」や「ソリオ」などを生産する相良工場(静岡県牧之原市)で7月に計7日間ほど。
取引先に稼働停止予定日を伝えたが、まだ確定ではないという。
スズキは今月も、一部で操業を停止している。
スバルも7月16日、国内唯一の自動車生産拠点である群馬製作所(群馬県太田市、大泉町)を一時停止する。
同社広報担当者によると、半導体不足の影響による生産調整だという。
スズキやスバル以外にも、来月、工場を一時停止するメーカーはあるとみられる。
現時点では、公表していないが。
半導体が不足している主因は、新型コロナウイルスの影響により、パソコンやゲーム機などの需要が急増したことである。これらの工業製品には多くの半導体が使用されている。
加えて、今年3月には半導体大手「ルネサスエレクトロニクス」の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で火災が発生。生産が停止した。
半導体は金属などの「導体」とゴムなどの「絶縁体」の中間の抵抗率を持つが、不純物が少しでも混入するとその性質が変わる。
半導体デバイス(半導体を用いた電子部品)は、髪の毛の100分の1のゴミも許されないため、直ぐに生産能力を上げることはできない。
現在、半導体デバイスを生産している工場はフル稼働状態。デバイスにより差はあるが、納期は従来より相当長くなっている。
半導体デバイスの製造には、莫大な投資と長い準備期間が必要である。現在は供給不足で騒いでいるが、5年後にはどうなっているかわからない。
今回の半導体不足を批判している声も多いが、そういう人間は実態を理解していない。
実績のない人間ほど、安易に他人を批判するものだ。