静岡県熱海市で発生した土石流災害について、静岡県は8日、流出した土砂の総量を約55,500立方メートルとする解析結果を公表した。
また、流出土砂はかなりの部分が「盛り土」とみられる。
令和3年(2021年)7月3日午前10時30分頃、静岡県熱海市伊豆山(いずさん)で、大規模な土砂災害が発生した。
前日夜から当日朝にかけ、東海から関東の太平洋側では記録的な大雨となっていた。
熱海市によると、7月9日午前6時現在、死者は9人、行方不明者は21人。
静岡県建設政策課は8日、「静岡県熱海市災害3次元点群データ」を公表した。ドローンで撮影しデータを取得したもの。
昨年1月のデータと土石流災害発生後の今月5~6日のデータを比較・解析したところ、流出した土砂の総量は約55,500立方メートルだった。
また、約400m下流の砂防ダム(容量4,200立方メートル)付近には7,500立方メートルの土砂が堆積していた。ダムを乗り越えた土砂は、相模湾まで流れ下っていたことがデータから裏付けられた。
同県の難波喬司副知事は、流出した土砂は「かなりの部分が盛り土」との見解を示した。
崩れた盛り土は、神奈川県小田原市の不動産業者(清算)が造形した。
静岡県土採取等規制条例では、盛り土の高さは「原則15メートル」となっている。業者が熱海市に提出した計画書でも、高さは15メートルとなっていた。
しかし、業者はこれを遥かに上回る盛り土をしていた。マスコミ各社の報道には多少の違いがあるが、NHKは「最大で50メートルの高さに達していたと推定」としている。
熱海市は業者に対して再三の指導をしていたが、業者は応じなかったという。
盛り土の中に産業廃棄物の混入が確認されたこともあり、これに関しても指導を行ったが従わなかったという。
なお、業者は他の現場でも、同様のトラブルを起こしている。
ここからは筆者の主観だが、今回の熱海市以外にも、危険な場所はあると思う。調査をすべきだ。
そして、法律に強制力がないこと、つまり、行政側が強制力を持っていないことが根本的な原因だと思う。
政府の権限を強くするのを左翼は嫌う。気持ちは理解できるが、力を持っていなければ何もできないのが現実である。