経済産業省は12日、2030年時点の電源別の発電コストについて、新たな試算を公表した。
これまで最も安い電源は原子力発電だったが、太陽光発電へと変わるという。
原子力発電は福島原発事故後、コストが大幅に上昇した。一方、太陽光発電は技術革新や大量導入でコストが下落、更に安くなる見通し。
豊明市水上メガソーラー発電所(愛知県豊明市)、出典:Wikipedia
試算は、総合資源エネルギー調査会の作業部会で示された。
2030年時点で発電施設を新設したと仮定し、廃棄まで含めた総費用から、1kWhあたりの発電コストを算出。最も安い電源は、太陽光・事業で「8円台前半~11円台後半」。
2030年の発電コストの試算
- 原子力 11円台後半以上
- 太陽光・事業 8円台前半~11円台後半
- 太陽光・住宅 9円台後半~14円台前半
- 風力・陸上 9円台後半~17円台前半
- 風力・洋上 26円台前半
- LNG火力 10円台後半~14円台前半
- 石炭火力 13円台後半~22円台前半
原子力発電の発電コストは、2004年には他の電源より格安の「5.9円」と試算されていた。
しかし、2011年に福島原発事故が起きると、多額の賠償金や除染費用などが発生。
前回、2015年に行った試算では「10.3円以上」と発電コストは大幅に増加した。そして、今回の試算では更に膨らんだ。
2020年の発電コストは、原子力が「11円台後半以上」、太陽光・事業が「12円台後半」、太陽光・住宅が「17円台後半」だった。
10年前と比べ、太陽光・事業は少なくとも三分の一以下、太陽光・住宅も半分以下まで低下してきている。
今後の予想として、太陽光・住宅は更に発電コスト低下が見込まれるという。
風力・陸上は不透明だが、半減する可能性あり。LNG火力は現状維持から微増。石炭火力は微増から大幅増。
情報元:総合資源エネルギー調査会総会 (METI/経済産業省)
今回の試算は、今夏に改定する「エネルギー基本計画」に反映される。
2020年、国内発電電力量に占める太陽光発電の割合は8.5%。恐らく、今後10年間で倍増する。
太陽光発電は電気を安定供給できない。夜間には発電できないし、天候にも左右される。火力発電などによるバックアップが必須だ。
発電コストが安くなったとしても、頼り過ぎるのは如何なものか。
太陽光発電の部品には、人権侵害が問題となっているウイグルで生産されているものも多い。
偏見かもしれないが、筆者は太陽光発電を推奨している人達から、何とも言えない怪しさを感じる。