原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧げます。そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
広島市に投下された原子爆弾のキノコ雲、原典:国立公文書記録管理局
昭和20年(1945年)8月6日、米軍は広島市に対して原子爆弾を投下した。人類史上初めて、実戦で核兵器が使用された。
放射線影響研究所によると、この核攻撃により広島市民の9万~16万6千人が、2~4ヶ月以内に死亡したとされる。
被爆者は推定56万人。
日本が原爆を持っており、かつ、米国の都市に原爆を投下させることが可能だったとしら、米国は日本に原爆を投下しただろうか?
そう、米国は日本に原爆を投下することはなかった。
広島や長崎への原爆投下の話をするとき、この最も重要な部分を忘れてはいけない。
この時期になると毎年、核兵器廃絶を訴える人たちがいる。しかし、現実の世界は彼らの考えとは逆の方向に動いている。
広島や長崎に原爆が投下された時、核保有国は世界で米国のみだった。それが現在では9カ国。核保有国は増えているのだ。
筆者も核兵器廃絶ができればいいと思うが、現実には不可能である。もし核兵器が廃絶されるとすれば、核兵器より強力な兵器が実用化された時である。
原子爆弾の犠牲となられた方々は、何を思っているのか?
筆者は「二度と同じ悲劇を繰り返してほしくない」と願っていると思う。
そのために今を生きる我々日本人がやることは、出来もしない核廃絶を訴え、自己満足することではない。
日本が原爆を持っていたら、原爆を投下されることはなかった。
まずは、この現実から目を背けてはいけない。嫌な現実でも真剣に向き合えば、良い答えを導き出せるはずだ。