アフガニスタンの反政府武装勢力「タリバン」は13日までに、同国34州都のうち18州都の制圧を宣言した。
アフガニスタン第3の都市ヘラートは12日に、第2の都市カンダハルは13日に制圧した。
タリバンは首都カブールの郊外までせまった。
情報元:Islamic Emirate of Afghanistan
欧米の大使館は13日までに、米国や英国、デンマーク、ノルウェー、スペインが一部退避を決めた。
ドイツも大使館職員を削減する。
タリバンは2001年まで、アフガニスタンのおよそ4分の3の地域を支配し、女性の就労禁止など厳格なイスラム統治を行っていた。
米国が「米国同時多発テロ事件」の容疑者、アルカイダの指導者ウサマ・ビン・ラディンらの引き渡しを要求すると、これを拒否。米国などからの攻撃を受け、支配地域の大半を失った。
タリバンは2020年2月、今年5月1日までの米軍完全撤退を条件に、米国との和平に合意した。
今月に入り米軍が撤退を始めると、次々と州都を制圧。勢力を急拡大中。タリバンに制圧された地域は戦わず、無血開城したところが多い。
アフガニスタン軍(国家警察隊を含む)の兵力は30万人超。
連合国(国連)の昨年の推計によると、タリバンの兵力は5万5000~8万5000人。
兵力や予算でみればアフガニスタン軍の方が圧倒的だが、同軍の士気は低い。
アフガニスタンでは公務員による汚職が深刻化しており、タリバン復活を望む国民も多い。
タリバンに協力した地方政府関係者も相当数いるとみられる。
タリバンが勢力を急拡大した背景には、米軍の撤退だけでなく、国民の政府への不満もある。
日本でも米軍が撤退し、国民の政府への不満が高まれば、どうなるか...
想像しただけで、筆者は恐ろしくなる。