敦化事件（とんかじけん）
昭和20年（1945年）8月27日、満洲国吉林省敦化（現：吉林省延辺朝鮮族自治州敦化市）で悲劇は起きた。
ソ連軍に集団強姦され続けた、日満パルプ製造（王子製紙子会社）敦化工場の社員や家族など、女性28人が自決を図った。
うち、23人が死亡した。
大東亜戦争終結直前の昭和20年（1945年）8月8日、ソ連は日ソ中立条約を破棄し対日参戦した。
満洲を守っていた日本軍（関東軍）はほとんど抵抗できずに敗北。北方領土（択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島）を含む千島列島も、ソ連軍に制圧された。
ソ連軍は8月19日、敦化を制圧した。
8月22日には日満パルプ製造敦化工場に進駐。
8月25日より、同工場の社員や家族などの女性を独身寮に集めて監禁した。約170人が、いくつかの部屋に分けられ監禁された。
8月26日明け方、酒に酔ったソ連兵たちが機関銃を乱射しながら、女性たちが監禁されている各部屋に乱入してきた。
ソ連兵たちは気にいった女性を連行し、強姦を始めた。
また、ソ連兵たちは女性たちの部屋の廊下に監視兵を置いたため、女性たちはトイレや食事すら思いどおりに出来なくなった。
ソ連兵たちの強姦は続いた。
8月27日未明、28人の女性が集められていた部屋では、全員が自決する決断をした。
隠し持っていた青酸カリが配られ、全員が自決を図った。23人が死亡し、5人が生き残った。
同日早朝、ソ連兵が集団自決を発見。女性たちの遺体はどこかへ運び去られた。責任を問われることを恐れたソ連軍将校は、女性への暴行・強姦を禁止した。
自分の妻や子供が強姦されても、自決しても、何もできない...
戦争に負けるとは、こういう事である。
