自民党と台湾の与党・民主進歩党（民進党）は27日、外交・防衛政策の責任者がオンライン形式で初めて会談した。
日本と台湾の与党議員による「2プラス2」との位置付けで、台湾への軍事的圧力を強める支那への対応などについて話し合った。
政治分野における2プラス2とは、2カ国の外交担当閣僚と防衛担当閣僚が、安保保障などについて話し合う枠組みを指す。
今回の会談は、自民党側の呼びかけで実現した。
自民党からは、佐藤正久外交部会長と大塚拓国防部会長が参加。台湾民進党からは、主に外交担当する羅致政氏や国防担当の蔡適応氏が参加した。
台湾への軍事的圧力を強める支那への対応などについて、話合いが行われた。
台湾の国際機関への参加を促進していくこと、両国による海難救助協力等については、意見が一致した。
現在、日本と台湾の間には国交がない。政策を調整するルートが確立されていない。
今回の会談はオンライン形式（テレビ会議）で実施したが、新型コロナが収束後には対面の会談を開きたいとした。
日本政府などは今年に入り、台湾有事を踏まえた動きをみせている。
日米は4月、首脳会談の共同声明で「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調」と明記。52年ぶりに台湾に言及した。
日本政府は6月以降、新型コロナのワクチン340万回分を台湾に供与した。
自衛隊は7月、台湾有事を念頭に、米軍やインド軍、オーストラリア軍などと共同訓練を実施した。
日台の「与党版2プラス2」に対し、支那は即反発した。
外交部（外務省）の趙立堅報道官が27日の記者会見で、「日本が支那の内政に干渉することをやめ、台湾独立勢力に誤った合図を送らないように厳粛に要請する」と述べた。
台湾有事はあったら困るが、準備はしておくべきだ。
米国も最近、台湾に接近してきている。
日米だけでなく、できるだけ多くの国が台湾と足並みを揃えることにより、台湾有事の可能性は低くなっていくと筆者は考える。
台湾を孤立させてはいけない。
