今日はハーグ事件が起きた日だ。
昭和49年（1974年）9月14日（現地時間では13日）、日本赤軍がオランダ・ハーグのフランス大使館で、人質を取り立てこもった事件。
日本赤軍とは、昭和46年（1971年）に結成された日本の国際的極左テロ組織。
テルアビブ空港乱射事件、クアラルンプール事件、ダッカ日航機ハイジャック事件など数々の事件を起こした。
平成13年（2001年）に最高幹部の重信房子が解散を表明した。
令和3年（2021年）9月14日現在、7人が国際刑事警察機構（ICPO）加盟している190ヶ国で指名手配中。
日本赤軍が占拠したフランス大使館、隠れて様子を見ているのは警備当局者、出典：Nationaal Archief
昭和49年（1974年）7月26日、日本赤軍のメンバー山田義昭がフランスのパリ＝オルリー空港で、偽造バスポート行使等の容疑で逮捕された。
日本赤軍は山田奪還のため、オランダ・ハーグのフランス大使館襲撃を計画する。
9月14日午前0時20分（日本時間）、日本赤軍のメンバー和光晴生・奥平純三・西川純の3人が拳銃・手榴弾で武装し、フランス大使館に侵入。大使ら11人を人質に取り立てこもった。
3人は、フランスで逮捕された山田の引き渡し、逃亡用の航空機、慰謝料100万ドルを要求した。
オランダ警察が人質救出を試みた際、銃撃戦となった。警察官2人が撃たれて重傷を負い、日本赤軍の奥平も右上腕部を負傷した。
フランス政府は、日本赤軍の要求を受け入れようとはしなかった。
このため翌日、日本赤軍と友好関係にあったテロ組織、パレスチナ解放人民戦線（PFLP）がパリで爆弾テロを起こしプレッシャーをかけた。このテロで2人が死亡し、34人が重軽傷を負った。
9月17日、オランダ政府が30万ドルを支払った。交渉の結果、慰謝料は犯人が要求した100万ドルより少なくなった。フランス政府は山田を釈放し、国外逃亡用の航空機（ボーイング707）を用意した。
9月18日午前6時過ぎ、日本赤軍の3人は山田と合流し金を受け取ると、人質を解放した。
午前6時26分、日本赤軍のメンバー4人を乗せ、ボーイング707はオランダのスキポール空港を飛び立った。
午後2時5分、南イエメン（現：イエメン共和国）のアデンに着陸。しかし、南イエメン政府が日本赤軍メンバーの受け入れを拒否したため、燃料の補給し再度出発。
午後10時、シリアのダマスカス空港に着陸。シリア政府は受け入れを了承。日本赤軍メンバーは30万ドルを含む所有物全てを放棄し、シリア当局へ投降した。
日本赤軍のメンバー4人は、逃亡に成功した。メンバーはこの後、クアラルンプール事件やダッカ日航機ハイジャック事件などの犯罪を犯す。
犯罪者に成功体験をさせると、新たな犯罪を誘発する場合が多い。犯罪者には、そういう輩が多いのだ。
