10年前の今日は「大津市中学生いじめ自殺事件」が起きた日だ。
平成23年(2011年)10月11日朝、大津市立皇子山中学校2年生の男子生徒が、いじめを苦に自宅マンションから飛び降り自殺した。
学校や教育委員会の隠蔽体質が問題視された。
この事件がキッカケとなり、「いじめ防止対策推進法」が成立し、施行された。
いじめの全貌については不明だが、加害者は少なくとも6人はいる。うち、立件されたのは男子生徒3人。
被害者生徒の自殺後、学校側は全校生徒860人を対象にアンケート調査を実施した。
「暴力」に関する記述は138件あり、「トイレで殴られた」「廊下でおなかを蹴られた」「鉢巻きで首を絞められた」「体育大会で集団リンチのようなものにあっていた」等があった。
「暴言・嫌がらせ」は173件で、「おまえの家族全員死ね」と言われたり、蜂の死骸を食べさせられそうになったりし、顔に落書きされたなどの回答もあった
「金銭要求」は13件、「万引きをさせられた」が11件あった。
自殺した男子生徒が自殺の練習をさせられていたのを目撃した生徒は10人。体育館で暴行を受けているのを見た生徒は10人。
加害者とされる生徒たちは、「死んでくれて嬉しい」「死んだって聞いて笑った」などと言っていたという。
学校側はアンケート調査をもう一回やったが、結果は同様だった。
学校側は事件発生後しばらくは、「いじめを認識していた教諭はいなかった」と説明していた。
しかし、事件から1年近く経った平成24年(2012年)9月18日、「少なくとも教諭3人がいじめを認識していた可能性が高い」と、これまでの説明を一転させた。
平成24年(2012年)12月27日、滋賀県警は加害者3人のうち2人を書類送検した。残る1人は13歳であったため刑事罰の対象にはならず、児童相談所に送致された。
滋賀県警によると、27件の犯罪行為を検討。結果、3容疑者による暴行、器物損壊、窃盗など計13件について立件したという。
平成26年(2014年)3月14日、大津家庭裁判所は加害者3人の内、2人を保護観察処分、1人を不処分とした。
平成25年(2013年)6月21日、国会では「いじめ防止対策推進法」が与野党議員の賛成多数により成立した。共産党と社民党は反対票を投じた。
同法の対象は小中高校と高等専門学校。自殺など心身に深刻な危害が及ぶ「重大事態」について、学校や自治体に調査と報告を義務付けた。また、各学校に教職員や心理・福祉の専門家による組織を常設するとした。
「いじめ防止対策推進法」は同年9月28日に施行された。
いじめは、大事件になる危険性をはらんでいる。だからこそ、早期に対処しなければならない。
そして、いじめを抑止するためには、加害者生徒に対する厳罰化も必要だと筆者は感じる。
いじめは、簡単には無くせないのが現実なのだ。