東京大学の鳥海不二夫教授らの研究グループは、日本では、保守の声はリベラルの声より、中間層に届いている事を明らかにした。
Twitterを解析した結果、わかった。
「保守クラスター」「リベラルクラスター」のイメージ図、東京大学提供
TwitterやYouTubeなどSNSでの政治コミュニケーションは、考えが似た者同士で行われる場合が多い。保守は保守同士で、リベラルはリベラル同士といった具合だ。
SNSでは上記のように、嗜好の近いユーザーなどをひとつの集団「クラスター」として捉えることもある。
研究グループは今回、1億2000万件を超える安倍晋三元総理に関するツイートを解析した。
結果、保守派とリベラル派のクラスターは内部のネットワーク構造にあまり差がなかった。
しかし、保守の方がリベラルよりも、中間層からフォローされた場合にフォローを返す割合が高いこと。
中間層が保守・リベラル双方からフォローを受けた場合、保守をフォローする割合が高いことが分かった。
ツイートに使われている特徴的な語彙については、保守の方が「嫌悪」などの拡散を促進するとされる感情語を多く含んでいた。
また、「おもろい」「やば」「よき」など口語的な形容詞の使用は、保守と中間層で似ていた。
研究グループは、賛同者を増やすには「内輪」だけで通用する言葉ではなく、中間層にも受け入れやすい言葉を用いる必要があると分析している。
この研究結果、筆者は妙に納得した。
リベラルは安倍元総理のことを「アベ」、菅前総理のことを「スガ」と呼び捨てにしていた。このような行動は、常識のある社会人からは嫌われる。
なお、保守にも一部、同様のことをしているメンバーがいる。
自分の行動を第三者がどのように感じるか。
この当たり前のことを理解できない人間が、広く支持されることはない。