令和3年12月の家庭向け電気料金が値上がりする。10月20日の時点で確実となった。
値上げは4カ月連続になる。
標準的な一般家庭の電気料金は、令和3年1月と比べ、9.0~18.5%上昇することになる。
LNGタンカー、出典:カメラde遊ingのブログ
令和3年12月の家庭向け電気料金は、大手電力会社10社全てで値上がりする。
標準的な一般家庭では、11月と比べると、沖縄電力が141円程度と1番の値上がり。中部電力は127円、中国電力は120円、東京電力は114円、東北電力は104円程度。
発電全体に占めるLNG火力の割合は、令和元年(2019年)は約37%。日本の発電はLNGに最も依存している。
LNG価格の変動は、電気料金に与える影響が最も大きい。
アジア地域のLNGスポット価格(取引価格)は今月6日、前年の同時期の10倍以上の水準となり、過去最高値を記録した。
日本の電力会社は、LNGの約8割を長期契約で調達している。このため、LNG価格が上昇しても、そのまま電気料金に影響するという訳ではない。
各電力会社における標準的な家庭の12月電気料金は、以下の金額になる見込み。カッコ内は左が1月からの値上がり額、右が上昇率。
- 北海道:7,935円(802円、11.2%)
- 東北 :7,719円(973円、14.4%)
- 東京 :7,485円(1,168円、18.5%)
- 中部 :7,153円(1,097円、18.1%)
- 北陸 :7,023円(658円、10.3%)
- 関西 :7,096円(741円、11.7%)
- 中国 :7,449円(996円、15.4%)
- 四国 :7,425円(801円、12.1%)
- 九州 :6,766円(560円、9.0%)
- 沖縄 :8,134円(1,209円、17.5%)
LNG価格の上昇に伴いガス料金も、電気料金と同程度の上昇率。
都市ガス4社(東京・東邦・大阪・西部)の12月ガス料金は、標準的な一般家庭で令和3年1月より、10.3~16.7%高くなる見込み。
金額ベースで、日本が最も輸入しているのは原油(原粗油)、次が液化天然ガス(LNG)。これらは国内でほとんど取れない。
日本が大東亜戦争を戦う羽目になったのは、原油の輸入を止められたからである。
今回の電気料金値上げを機に、日本のエネルギーをどうすべきか、考える人が増えてくれたらと筆者は願う。