法制審議会(法務大臣の諮問機関)は21日の臨時総会で、以下3件の要綱(骨子)を決定し、古川禎久法務大臣に答申した。
保釈制度については、裁判所が「国外逃亡防止の必要性」があると認めた場合に限り、保釈中の被告にGPSを装着させる制度を創設するとした。
GPS装着者が立ち入りが禁止された空港などに侵入した際には、位置情報を確認して身柄を確保するできるとした。被告のプライバシー保護のため、保釈中の行動に異常がない場合には、位置情報の確認は禁止とする。
また、保釈中の被告らが裁判所に出頭しない場合や、裁判所が指定した住居から一定期間離れる場合には、新たに処罰の対象とした。ともに2年以下の懲役。
近年、保釈された被告が逃走したり、裁判所に出頭しなかったりするケースが相次いでいる。この10年で保釈が取り消された人は200人超。昭和時代と比べ、数倍に増えている。
日産自動車のカルロス・ゴーン元会長も、保釈中に海外逃亡した。この事件を機に、保釈制度変更の声が大きくなった。
侮辱罪は、SNS上のひぼう中傷対策を強化するためのもの。
今年4月、投稿した人物を速やかに特定できるようにする「改正プロバイダ責任制限法」が成立した。ただ、適用される法定刑は「30日未満の拘留」か「1万円未満の科料」という軽いものだった。
答申では、これでは抑止力にならないと指摘。法定刑の上限を「1年以下の懲役・禁錮」と「30万円以下の罰金」に引き上げるよう求めた。
SNS上の誹謗中傷により、被害者が自殺する事例も起きている。
令和2年5月、プロレスラーの木村花さん(当時22)がSNS上の誹謗中傷を理由に自殺した。
木村さん自殺のキッカケとなった「きもい」「死ねやくそが」等の書き込みをした30代男性が、侮辱罪の容疑で書類送検された。男性は略式起訴され、科料9,000円を納付した。
この措置に対し、「罪が軽すぎる」との意見が多数寄せられていた。
「国際仲裁」とは、弁護士などの仲裁人が、外国企業などとのトラブルを解決する制度。
仲裁の手続きが始まってから判断が出るまでの間、財産や証拠を保全するため、裁判所による強制執行を可能にすべきだとした。
法務省は来年度の国会に、改正法案を提出したいとしている。
情報元:法務省:法制審議会 - 総会
日本の司法制度は、性善説を前提につくられている。
国際化が進む現代では、このような甘い考えは通用しないと筆者は考える。
犯罪歴のある人間にGPS装着を義務付ける制度がある国は、英国、ドイツ、フランス、カナダ、韓国など。米国でも半分以上の州で実施されている。
普段は「外国を見習え!」と言っている人達は、なぜか、この件に関しては沈黙したままである。