素人が新聞記事書いてみた

新聞記事のつもりでブログを書いています。

犬の腫瘍で特定酵素が過剰発現、東京大学が発見

東京大学の西村亮平教授らの研究グループは、犬の腫瘍で特定酵素が過剰に発現することを発見した。

IDO1」と呼ばれる酵素で、正常な細胞ではほとんど発現しないが、腫瘍組織内に浸潤した免疫細胞や犬膀胱癌などでは過剰発現するという。

研究グループは犬膀胱癌の治療標的になるとみて、既に臨床研究を開始している。

 

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犬の膀胱癌では「IDO1」が過剰発現、作成:素人が新聞記事書いてみた

 

「IDO1」は、必須アミノ酸トリプトファン代謝する酵素

妊娠時に非自己である胎児に対する免疫反応を抑えるため、胎盤で発現することが知られている。

ヒトの腫瘍組織でも発現することが分かっている。

なお、正式名は「インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ」という。

 

研究グループは、犬の「IDO1」発現について調べた。

手術で摘出された検体などを中心に、犬の「30臓器の正常組織」と「13種の固形腫瘍組織」でIDO1発現の網羅的な検証を行った。

 

結果、「IDO1」発現は、正常組織ではリンパ組織などに存在する一部の免疫細胞のみだった。

一方、固形腫瘍組織では半分程度で「IDO1」の発現を確認した。

膀胱癌のおいては、19症例全てで「IDO1」の過剰発現を確認した。

 

研究グループは、犬の膀胱がん細胞株を「犬化したマウス」に移植。IDO1阻害剤で抗腫瘍免疫細胞が活性化し、治療効果があることを突き止めた。

この知見を基に、臨床試験を開始したという。

 

情報元:Detection of indoleamine 2,3-dioxygenase 1–expressing cells in canine normal and tumor tissues

 

研究グループが臨床試験行っているのは「腫瘍免疫療法」という腫瘍(癌)の治療法。腫瘍に対する自己の免疫応答を利用した治療法だ。

犬の膀胱がんは転移率が高く、外科的治療後の生存率は概ね1年程度。

 

まずは、犬でこの治療法を確立してほしいものである。実現できれば、ヒトでも応用できる可能性は極めて高い。

変な学者より、こういう研究者と大切にすべきだ...と筆者は思う。