今日はニュルンベルク国際軍事裁判が始まった日だ。
第二次世界大戦の戦勝国が行った、ナチス=ドイツの戦争責任と犯罪を断罪するための国際軍事裁判。
昭和20年(1945年)11月20日から裁判は行われ、昭和21年(1946年)10月1日にナチス指導者12人に対し「死刑判決」が言い渡された。
半月後の10月16日、12人のうち10人が絞首刑となった。
ニュルンベルク国際軍事裁判の被告席(前列)、出典:米国国立公文書記録管理局
ニュルンベルク国際軍事裁判の原告は、英国・米国・フランス・ソ連など計19ヵ国。
起訴されたのはナチスの主要幹部24人。ただし、1人は公判前に自殺、1人は高齢で寝たきりだったため追訴が取り下げられた。
ナチス=ドイツの最高指導者だったアドルフ・ヒトラーは既に自殺しており、起訴することは不可能だった。
ニュルンベルク国際軍事裁判は、史上初の戦争犯罪に対する裁判である。
裁判官は英国・米国・フランス・ソ連から2人ずつ、計8人が選ばれた。
ニュルンベルク国際軍事裁判は、以下の4点を管轄として行われた。
- 平和に対する罪
- 戦争犯罪
- 人道に対する罪
- 共同謀議への参加
平和に対する罪とは、国際法上、不法に戦争を起こすこと。
戦争犯罪とは、戦時国際法に違反すること。捕虜への虐待や、非人道兵器の使用などが含まれる。
人道に対する罪とは、国家などが一般の国民に対して行う、大量殺人や奴隷化などの非人道的行為を指す。
共同謀議とは、2人以上の者が共同して違法行為のこと。同裁判では、戦争の計画や立案に加担したか否か。
判決の結果は、死刑が12人、終身刑が3人、有期刑が4人、無罪が3人だった。
半月後、死刑判決を受けた12人のうち、10人に対して死刑(絞首刑)が執行された。1人は死刑執行前日に服毒自殺、1人は行方不明のまま裁判が行われていたが既に死亡していた。
ニュルンベルク国際軍事裁判についての評価は、人それぞれである。
筆者は「戦勝国が敗戦国に行った集団リンチ」だと思う。極東国際軍事裁判(東京裁判)も同様である。
英国・米国・フランス・ソ連は、ナチス=ドイツと同等以上の罪を犯したが、裁かれていない。
戦争は勝った国が正義となる。無慈悲だ...