米国のバイデン政権は23日、5,000万バレルの石油備蓄を市場に放出すると発表した。
日本や支那、インド、韓国、英国なども協調して放出するという。
高騰している原油価格を抑制するのが狙いで、主要消費国が足並みを合わせ、石油備蓄を一斉に放出するのは初めて。
情報元:Background Press Call by Senior Administration Officials on Oil and Gas Prices | The White House
米国・オクラホマ州クッシングの石油貯蔵タンク、出典:Google Earth
新型コロナの世界的流行により、昨年4月頃から世界の石油消費量は大幅に減少した。これに応じ、石油輸出国機構(OPEC)やロシアなどの産油国は生産量を減少させた。
今年後半になると、先進国ではコロナの流行は峠を越え、経済活動が再開され始めた。石油の消費は元に戻りつつあるのだが、OPECやロシアは生産量を減らしたまま。
このため、原油価格が高騰しているのだ。
日本が石油備蓄を取り崩したのは、平成23年(2011年)の東日本大震災と、令和元年(2019年)9月にサウジアラビアの石油施設が攻撃を受け供給に不安が生じた時の2回。
日本の石油備蓄は、今年9月末時点で約145日分。これは目標を約55日分ほど上回っており、日本政府はこの「余剰分」を放出できないか現在調整中。
第二次世界大戦で日本が英米蘭開戦をせざるを得なかったのは、石油を止められたからである。
石油を輸入できなければ、日本は干上がる。
日本のこの致命的な弱点は100年以上前から変わっていない。