今日は冷戦が終結した日だ。
平成元年(1989年)12月3日、ジョージ・H・W・ブッシュ米国大統領とミハイル・ゴルバチョフソ連最高会議幹部会議長兼ソ連共産党書記長がマルタ島で会談し、冷戦終結を宣言した。
いわゆる「マルタ会談」である。
ミハイル・ゴルバチョフソ連最高会議幹部会議長兼ソ連共産党書記長(左)とジョージ・H・W・ブッシュ米国大統領(右)、出典:国立公文書記録管理局
昭和20年(1945年)に第二次世界大戦が終結すると世界は、米国を盟主とする「西側諸国」と、ソ連を盟主とする「東側諸国」による対立構造となった。
西側諸国は米国を始め、英国、フランス、西ドイツ、日本などの資本主義・自由主義陣営。
東側諸国はソ連を始め、支那、チェコスロバキア、東ドイツ、モンゴル、北朝鮮などの共産主義・社会主義陣営。
米国とソ連は対立していたが、両国が軍事力により直接戦うことはなかった。このため、いつの間にか「冷戦」とか「米ソ冷戦」などと呼ばれるようになった。
米ソ間で戦争が起きなかった最大の理由は、両国が核兵器保有国だったからである。
昭和60年(1985年)、ミハイル・ゴルバチョフがソ連共産党書記長に就任すると、冷戦構造は変わっていった。
疲弊した経済を立て直すため「改革(ペレストロイカ)」を提唱。資本主義経済を導入し、情報開示も行われるようになっていった。
更に、西側との関係改善に乗り出し、昭和62年(1987年)には米国との間で中距離核戦力全廃条約 (INF) を調印した。
この頃、ソ連以外の東側諸国でも、資本主義経済を導入する動きが相次いだ。
平成元年(1989年)11月9日には、冷戦の象徴的存在だった「ベルリンの壁」が崩壊した。
そして12月3日、米ソ両国首脳が「冷戦終結」を宣言。約44年間続いた冷戦は終結した。
平成3年(1991年)12月25日、ソ連という国は消滅した(ソ連崩壊)。
冷戦では米国とソ連が直接戦うことはなかったが、実態は「資本主義・自由主義陣営」と「共産主義・社会主義陣営」による戦いである。
資本主義・自由主義陣営は、経済で成功し豊かになった。一方、共産主義・社会主義陣営は失敗し、多くの国で態勢が崩壊した。
共産主義や社会主義は、平等・公平の社会を目指す。しかし、この理想を実現させるために、東側諸国では多くの人が犠牲となった。
共産主義や社会主義は理想ではあるが、現実社会では不可能である。
歴史が証明している。