オーストラリア政府は8日、北京冬季五輪に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を表明した。
中華人民共和国政府による新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を理由とした。
北京五輪の「外交的ボイコット」は、米国が今月6日に表明。その後、リトアニアやニュージーランドも続いた。
オーストラリアのスコット・モリソン首相、出典:オーストラリア政府
オーストラリアのスコット・モリソン首相は8日、人権問題が理由に、北京冬季五輪・パラリンピックに閣僚や高官などの政府代表を派遣しないことを明らかにした。
選手は大会に参加する。
北京冬季五輪は来年の2月4日~20日、パラリンピックは3月4日~13日、北京市を中心に開催される。
モリソン氏は「新疆ウイグル自治区での人権侵害の問題など、オーストラリアが一貫して提起してきた問題があります。しかし、中華人民共和国政府はこれらの問題について話し合うことを受け入れません」と述べた。
その上で「政府関係者が参加しないのは当然のこと」と主張した。
オーストラリア政府が昨年、中華人民共和国政府に対して、新型コロナウイルスの発生源を解明するために独立した調査を求めた。
これに中華人民共和国政府が反発。オーストラリアからの輸入品に対して、高い関税を課すなどした。
両国の関係は冷え込んでいた。
中華人民共和国政府は、今回のオーストラリア政府の決定を批判。
外交部(外務省)の汪副報道局長は8日、「オーストラリアの政治家が私利私欲から政治的なパフォーマンスをすることについて、北京オリンピック開催の成功に何の影響もありません」と述べた。
更に、「オーストラリア政府高官のオリンピック派遣と新疆ウイグル自治区の人権問題を結び付けることは、まさに言いがかりと言わざるを得ません」と続けた。
中華人民共和国が反応しているという事は、効いている証拠である。
日本政府はどのような決断をするのだろうか?
あと、日本国内の人権派のほとんどが、北京五輪の「外交的ボイコット」を主張していないのも不思議だ。