素人が新聞記事書いてみた

新聞記事のつもりでブログを書いています。

人工光合成、太陽光変換効率10.5%、豊田中研が世界最高

豊田中央研究所は、人工光合成装置(1メートル角サイズのセル)で太陽光変換効率10.5%を達成した。
このクラスでは世界最高の変換効率。

 

豊田中央研究所は、トヨタグループの出資により設立された研究所。略称「豊田中研」。本社は愛知県長久手市。令和3年6月時点の従業員は942人。

人工光合成とは、光合成を人為的に行う技術のこと。一般的には、太陽光(光エネルギー)を利用して水と二酸化炭素から、有機化合物を合成することを指す。

 

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人工光合成装置「MORLIE」、泡は発生した酸素、豊田中央研究所提供

 

豊田中央研究所は人工光合成装置「MORLIE」を自作した。人工光合成を行うセルは、1メートル角サイズで世界最大級。

同装置は半導体と分子触媒を用いた方式。水の酸化反応と二酸化炭素の還元反応を行なう電極を組み合わせ、常温常圧で有機物化合物「ギ酸」を生成する。ギ酸は酸素と化学反応させれば電力を生み出す。

 

豊田中央研究所は今年4月、36cm角サイズのセルによる装置で、植物を大きく上回る太陽光変換効率7.2%(このクラスでは当時の世界最高)を達成していた。

今回は実用化の目安である太陽光変換効率10%を目指していたが、それを超える10.5%を達成した。

 

豊田中央研究所によると、同技術の社会実装のためには、太陽光変換効率を低下させずにセルを大型化することが必要だという。

これは困難な課題だったが、克服するため以下の2点の改良を行ったという。

  1. 太陽電池で生成した電子を電極全面に行き渡らせるために、電気抵抗が低いチタン基板を採用
  2. ギ酸合成に必要な水素イオンを通し、ギ酸合成を妨げる酸素を通さない多孔質セパレータを採用し、酸化と還元電極の間に設置

結果、1メートル角サイズのセルにて、同クラスでは世界最高の太陽光変換効率10.5%を達成した。

 

豊田中央研究所は、工場等から排出される二酸化炭素を回収し、再び資源化するシステムの実現を目指すという。

変換効率の目標を達成した。今後の課題は耐久性向上と低コスト化。

 

情報元:Solar Fuel Production from CO2 Using a 1 m-Square-Sized Reactor with a Solar-to-Formate Conversion Efficiency of 10.5% | ACS Sustainable Chemistry & Engineering

 

二酸化炭素から電気をつくる。夢のある話である。

しかし、これらの装置にはレアメタルが使用されているため、どうしても高コストになってしまう。

簡単にはいかないだろうが、何とか実用化してほしいと筆者は願う。夢は必要だから...