北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の代表が11日、交代した。
田口八重子さん(拉致当時22)の兄・飯塚繁雄さん(83)が体調不良のため退任。横田めぐみさん(拉致当時13)の弟・拓也さん(53)が新代表に就任した。
同日、家族会の臨時総会が東京都内で開かれ、新人事が了承された。
家族会代表を退任した飯塚繁雄さん(左)と新代表の横田拓也さん(右)、拉致問題対策本部提供
新代表の横田拓也さんは「横田家の問題ですよとか、飯塚家の問題だから、かわいそうだねということを考えて欲しくない」と述べた。
日本政府に対しては「北朝鮮政府当局ときっちり話し合いをして、強い交渉をして欲しい」と訴えた。
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)は、平成9年(1997年)に結成された。
日本人拉致問題の早期解決、拉致被害者の全員帰国を求めて、各地での署名運動や講演、日米政治家への働きかけ等を行ってきた。
家族会の初代代表は、中学1年生の時に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父・滋さんが約10年間務めた。滋さんは健康上の理由から平成19年(2007年)に退任。
二代目の代表には、田口八重子さんの兄・飯塚繁雄さんが就いた。
飯塚さんは約14年間に渡り代表を務め、署名や講演活動などを積極的に行った。7人の総理大臣と面会し、被害者の早期帰国を訴えた。
しかし、4年ほど前から病気を抱え、先月中旬に体調を崩して入院した。飯塚さんは83歳。代表を続けるのは難しいと判断し、辞任することを決めた。
家族会の代表が2代続けて健康上の理由から退任した。
拉致被害者の家族は高齢化している。もう時間がない。
北朝鮮が拉致したのは、日本人だけではない。世界中の国々の人を拉致している。
普段から「人権」を主張している人達には、この問題を最優先に取り組んでもらいたい。