直径約1kmの小惑星が1月19日午前6時51分(日本時間)、地球の近くを通過した。
地球から約198万kmの地点を、約19.6km/sの相対速度で通過した。
198万kmは「地球ー月」間の5倍を超える距離だが、宇宙における天体間の距離としては「至近距離」といえる。
NASA(米国国家航空宇宙局)のウェブサイト「Eyes on Asteroids」では、小惑星の軌道表示と最接近へのカウントダウンを行っていた。
「The Virtual Telescope Project」でも、小惑星が通過する様子をライブ配信していた。
小惑星が地球に接近すると、このような事をするサイトはいくつかある。
「(7482)1994 PC1」と地球の軌道の動画
小惑星は「(7482)1994 PC1」という。
NASAによると、直径は1kmほどで、「潜在的に危険な小惑星(PHA)」に分類されている。
太陽のまわりを約1年7カ月かけ公転している。公転軌道は楕円形で、地球軌道の内側に入ることもある。
次に地球に近ずくのは2105年1月18日。
「(7482)1994 PC1」は1994年、オーストラリアのサイディング・スプリング天文台で観測を行っていた天文学、ロバート・マックノート氏によって発見された。
「7482」は小惑星番号で、「1994 PC1」は仮符号に基づく名称。現時点で、固有の名称は与えられていない。
NASAは今年9月、惑星衝突を回避するための取り組みとして、宇宙空間で探査船から衛星を発射し、惑星に衝突させることで軌道を変える実験を行う。
隕石落下(小惑星などの落下)は、人類にとって脅威である。
1908年、現ロシア・クラスノヤルスク地方に、直径50~60mの隕石(小惑星)が落下した。通称「ツングースカ大爆発」である。
この時には、爆心地から半径30~50kmにわたり森林が炎上。東京都と同等の面積にあたる約2,150km2の範囲で樹木がなぎ倒された。1,000km離れた家の窓ガラスも割れた。
万一、直径1kmの小惑星が地球に衝突すれば、大惨事となるのは確実である。
直径1km以上の小惑星と地球との衝突は、今後200年間はないとみられている。
宇宙と比べれば、人類はちっぽけな存在である。