救急車を呼んでも直ぐに搬送先が決まらない「救急搬送困難事案」が、1月17~23日の1週間で4,950件発生し、過去最多をだったことがわかった。
総務省消防庁が25日、情報を公開した。
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染急拡大による影響とみられる。
救急搬送困難事案とは、119番通報を受けた救急隊が医療機関に患者の受け入れを4回以上問い合わせし、かつ、現場滞在時間30分以上の事例。
消防庁は全国の消防本部から報告された救急搬送困難事案に関する情報をまとめ、週に1回公表している。
救急搬送困難事案の週ごとの推移
消防庁によると、救急搬送困難事案は1月17~23日の1週間で4,950件(前週4,151件)発生したという。
前週に続き、2週連続で過去最多を更新した。増加は6週連続。
4,950件のうち、約3割に当たる1416件がコロナ感染が疑われる事例だったという。
救急搬送困難事案が100件を超えた消防本部は、以下の8つ。
情報元:各消防本部からの救急搬送困難事案に係る状況調査(抽出)の結果(R4.1/17(月)~R4.1/23(日)分) - 総務省消防庁
オミクロン株拡大でコロナ患者向け病床が増えた一方、救急患者を受け入れる一般病床は減少傾向にある。
このままでは、事故や脳梗塞など緊急を要する患者への対応が、迅速に行われなくなる場合もあり得る。
新型コロナは現在、1類感染症の天然痘やウイルス性出血熱、2類感染症の結核やSARSなどに近い位置づけとなっている。
筆者個人の見解だが、これは流石に変更すべきだろう。
5類感染症(季節性インフルエンザや風邪など)相当に、段階的に引き下げるべきだと思う。
コロナを警戒するあまり、他の病気やケガへの対抗がおろそかになれば、元も子もない。