ロシアのプーチン大統領は27日、軍に対し、抑止力を特別戦闘態勢にするよう命じた。
抑止力とは「核兵器」を意味するものとみられる。
ロシアのプーチン大統領
ロシアの国営メディア「イタルタス通信」によると、プーチン大統領は27日、ショイグ国防相およびゲラシモフ参謀総長と会談。
プーチン氏は「NATO(北大西洋条約機構)が我が国に対し、攻撃的な発言をしている」とし、ロシア軍の抑止力を特別戦闘態勢にするよう命じた。
抑止力とは「核兵器」を意味するものとみられる。
プーチン氏はウクライナへの侵攻開始を宣言した24日、演説で「ロシアは世界で最も強力な核保有国の一つ」と述べている。
プーチン氏は今月19日にも、核戦力部隊などの大規模演習を自ら指揮している。この演習では、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や極超音速ミサイルの発射を行った。
プーチン氏の命令直後、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアと停戦交渉を行うと発表。
ベラルーシ国境に近い川沿いで、「前提条件なし」の条件でロシア側と協議するという。
ロシア側にも、民間人の死傷者が増える本格的な市街戦は避けたいという思惑があったとみられる。
欧州連合(EU)は27日(日本時間28日)、加盟27カ国からロシアの全航空機を締め出すと発表した。プライベートジェットなども含む。EU域内での離着陸のほか上空の通過も認めないとした。
更に、ロシアの国営メディアなどに対する規制も強めるという。
プーチン氏は強固な態度に出て核までチラつかせたが、逆に、NATOやEUは対ロシアで結束してしまった。
ウクライナ大統領府によると、ロシア軍の死者は約3500人、捕虜は約200人だという。この情報がロシア国民に知られると、反戦運動が活発化する。
時間が経過するほど、プーチン氏にとって不利な展開になっていく...と筆者は思う。